約4万年前の地球をテーマにした特別展「ナウマンゾウやネアンデルタール人が見た夜空」が若狭町の県年縞(ねんこう)博物館と、隣接する同町若狭三方縄文博物館で開かれている。地磁気極の大移動と、それに関わるオーロラ現象について紹介している。1月6日まで。
地磁気は地球の磁気のことで、現在は北極付近がS極、南極付近がN極に当たる。日本にナウマンゾウなどの大型動物が生息し、ヨーロッパにはネアンデルタール人がいた約4万2千年前には、地磁気極の大きな移動が計5回あった。年縞博の学芸員によると、地磁気極付近ではオーロラがよく現れるという。
年縞博の特別展は「地磁気極移動編」。水月湖年縞の研究により、1回だと考えられていた約4万2千年前の大移動が5回だったと明らかになり、約3万9千年前にも大きな移動があったと分かったと紹介。年縞に含まれる磁石の性質を持つ粒子を調べることで、当時の地磁気極の位置が分かるという。長野県の野尻湖の湖底から見つかったナウマンゾウの牙やネアンデルタール人の頭骨のレプリカなども並ぶ。
縄文博は「オーロラ歴史編」で、国際宇宙ステーションから撮影されたオーロラの映像や日本での観測の歴史を紹介している。京の僧侶とみられる寿量庵秀尹(じゅりょうあんしゅういん)が記した天文書「星解(せいかい)」に描かれた1770年9月のオーロラなどを展示。今年5月11~12日に北日本や北陸などでオーロラとみられる現象が観測された際に水月湖で撮影された写真もあり、空が赤みがかっているのが分かる。
学芸員は「4万年前の地球に思いをはせながら展示を楽しんで」と呼びかけている。
入館料はともに一般500円、小中高生200円。共通入館券は一般700円、小中高生280円。
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