境迎えの儀に臨む紫式部役の能登さん(左から2人目)や藤原為時役の水上さん(同3人目)ら=19日、敦賀市の気比神宮

 平安時代に紫式部が京の都から越前国に赴いた旅を再現する「紫式部の旅」は2日目の10月19日、福井県内での行程が始まった。敦賀市の気比神宮では、役人が新しい国司を迎える「境迎(さかむか)えの儀」が行われた。

 紫式部は996年、国司の父藤原為時とともに越前国に移り住んだ。気比神宮ではこの日、全国公募で集まった県内中心の39人が隊列を構成して大鳥居をくぐり本殿へ。参拝してから絵馬堂へ移動し、境迎えの儀を執り行った。為時役の水上さんは「生業には頼むところ多く、それゆえ民の心も穏やかな良き国であろうのう」と越前国を評した。

 儀式を終え、式部役を務めた能登さんは「たくさんの方がカメラを向けて見てくれて良かった」と喜んだ。山田賢一越前市長と米澤光治敦賀市長も観覧し、山田市長は「気比神宮の様子も相まり、式部の旅らしくできていた」と述べた。

 旅の再現は、越前市などの紫式部プロジェクト推進協議会が、式部が主人公の大河ドラマ「光る君へ」に合わせて企画。この日は南越前町の鹿蒜神社でも参詣儀式を行った。最終日の20日は越前市で「着任の儀」がある。

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