高石さんにまつわるレコードや雑誌、写真などが並ぶ特集展=おおい町名田庄図書館

 旧名田庄村(現福井県おおい町)に一時暮らし、今年8月に82歳で亡くなったフォーク歌手の高石ともや(本名尻石友也)さんの特集展が、同町の名田庄図書館で開かれている。写真やレコード、旧名田庄村での生活ぶり、地域活動への参加の様子を紹介した貴重な資料が並ぶ。10月6日まで。

 高石さんは1966年に「かごの鳥ブルース」でデビュー、68年に発表した「受験生ブルース」が大ヒットした。

 京都の芸術家、大関八仙(おおぜきはっせん)さんの紹介で69年に旧名田庄村に一家で移住、廃校になった奥名田小学校の理科室などで約13年暮らした。71年に結成したグループ名には「ザ・ナターシャー・セブン」と名田庄をもじって名付け、村に強い愛着を持っていたことがうかがえる。

 展示では、地区対抗のマラソンに参加した際の写真などが飾られている。12曲中8曲が村内で録音されたレコード「山と川。」を展示。聴くこともできる。77年の初夏に、森の中や奥名田小校内で録音され、当時の鳥の鳴き声や風の音をバックに、高石さんの優しい声が流れる。CDも貸し出している。

 このほか、高石さんが30年ほど前、町内で開いた講演内容を町関係者がメモした資料もあり「奥名田小の理科室だった28畳の部屋に住みました。教室、グラウンド付きで家賃1500円」など当時の生活の秘話が記されている。

 初版の貴重なソングブックや、高石さんが掲載された雑誌も並び、ファンにはたまらないコーナーになっている。親交があったという男性は「一緒にバレーをするなど、思い出がたくさんある。大親友だった」と懐かしげに展示を眺めていた。

 午前9時~午後6時。火曜休館。

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