相撲甚句の独特の踊りを披露する子どもたち=15日、敦賀市阿曽の利椋八幡神社

 福井県敦賀市東浦地区で9月15日、県無形民俗文化財に指定されている「阿曽相撲甚句」と「赤崎獅子舞」がそれぞれの区内の神社で奉納された。住民らが伝統の踊りや舞を披露し、詰めかけた見物客を魅了した。

 300年以上の歴史がある「阿曽相撲甚句」は、敦賀市阿曽の利椋八幡神社で行われた。住民らが五穀豊穣(ほうじょう)を願って伝統の踊りを奉納した。

 市内外の幼児から中学生までの20人による元気な奉納相撲で幕開けし、大人も迫力のある取組を見せた。相撲甚句は中入りで行われた。市東浦小中と市角鹿小の8人が化粧まわしを着け「ヨオッ」と勇ましい声で一人ずつ土俵入りし、円を描くように整列。「そろうたョ~、そろいましたがョ~」と甚句の謡いが始まると、子どもたちは「ヤストコ、ヤストコ、ヤストコ、ショイ」のかけ声とともに、手拍子を入れながら土俵内を回った。大人の相撲甚句も行われ、区民ら10人が家々に伝わる豪華な化粧まわしで勇壮な踊りを見せた。

 杉津区から参加した東浦中1年の生徒は「多くの人の前でうまく踊れてよかった。阿曽の伝統文化をほかの地域の人たちの力も合わせて守っていけたら」と話していた。

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