一般ドライバーが有料で客を運ぶ「日本版ライドシェア」の実証事業が8月30日、福井、敦賀両市で始まった。今後、さらに7市町で順次スタートさせていく計画で、朝夕を中心に移動需要の多い時間帯のタクシー不足解消につなげる狙い。運行を担うタクシー事業者は、3カ月間の実証事業の結果などを踏まえ導入を判断する。
日本版ライドシェアはタクシーが足りない区域と時間帯に限り、タクシー事業者の管理による運行などを条件に4月に導入された。タクシー配車アプリ「GO」を使い、ライドシェアを選び、発着地と運賃を事前に確定するのが特徴。運賃はタクシーと同額で、原則キャッシュレス決済とする。ドライバーに2種免許は必要なく、タクシー会社が雇用する。
8月30日に運行を始めたのは福井交通(福井市)と敦賀海陸運輸(敦賀市)。福井交通は福井市内で水曜~金曜の午後6~9時に、敦賀海陸運輸は敦賀市内で平日の午後5~9時に各1台運行する。福井交通は一般公募したドライバー3人、敦賀海陸運輸は2種免許を持たない従業員数人が乗務に当たる。
この日は県庁前でデモ運行があり、県の担当者が配車アプリで福井交通のライドシェア車両を手配して乗車するまでを実演した。同社の矢部良智社長は「(ドライバーが)ライドシェアをきっかけにタクシー業界に興味を持ってもらい、正規の運転手として勤務してもらえるようになれば」と話した。
31日に坂井市と越前市、9月2日にあわら市、11月には越前町で運行が始まる。鯖江、大野市と永平寺町でも準備が整い次第、スタートさせる。
県はタクシー不足解消や運転手確保に向けて、ライドシェアの実証事業を計画。本年度当初予算に人件費の補助など約1500万円を計上していた。
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