パネルや写真で海水温の上昇が魚類に与える影響を紹介している特別展=22日、若狭町の県海浜自然センター

 福井県若狭町の県海浜自然センターで、開館25周年を記念した特別展「三方海域公園活動記録展」が開かれている。2回に分けて行い、8月19日までの第1弾では、海水温の上昇が魚類に与える影響についてパネルや写真で紹介している。

 同センターは1999年の海の日(7月20日)に開館。2005年に三方五湖が国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録され、14年4月には「うみ(海湖)の学びと癒やしの新空間」をコンセプトにリニューアルオープンした。

 三方海域公園は常神半島の先端やセンター近くの烏辺(うべ)島など4カ所の海域からなる。1971年に国から指定を受けており、県内で唯一の海域公園となっている。特別展では、センターが2011~23年の主に7、8月に同公園とその周辺で行った魚類把握調査の結果を紹介。シュノーケリングによる目視で105回の調査を行い、74の魚種が確認されたとしている。

 センター前の海域では職員が毎日水温を測定しており、01~23年で2・2度上昇していることも伝えている。同魚類把握調査を基にした低、高水温期の比較では、南方系魚種の増加は見られなかったものの今後増えていく可能性があるとし、環境の変化が及ぼす魚類相への影響を明らかにするため調査を継続する必要があるとした。

 同公園に生息する魚類などの写真のほか、県内で見つかり、情報がセンターに寄せられたウミガメの写真や分布図、センターの年間活動記録「海遊」も展示。14、15日にセンターで開かれた「海の日イベント」で600人を超える子どもが手掛けた海の生き物の塗り絵も飾っている。

 8月20日から9月23日の第2弾では、ダイオウイカやアザラシ、エビスザメなど、センター付近で見つかった珍しい生き物の写真を時系列で紹介する。8月末まで休館はなく、9月は特別展会期中では2、9、17日が休館。

 問い合わせは県海浜自然センター=電話0770(46)1101。

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