福井県小浜市民らでつくるNPO法人「杉田玄白・小浜プロジェクト」は、小浜藩医杉田玄白が記した「養生七不可(ようじょうしちふか)」を研究者の視点で現代に捉え直した「養生七不可指南書 杉田玄白に学ぶ長生きの秘訣(ひけつ)」を出版した。医学や歴史、栄養学などさまざまな分野の研究者18人の研究成果などを集約している。団体は「健康に関するバラエティー豊かな研究業績を分かりやすく解説している」とアピールする。
「養生七不可」は1801年に数え年で70歳になるのを前に、玄白が健康を保つための七つの心得として記した。▽昨日のことを悔やんだりしない▽飲み過ぎ、食べ過ぎをしない▽楽をせず、まめに体を動かす-などがある。
本には食に関する進歩的な研究を市が表彰する「杉田玄白賞」受賞者13人の寄稿文ほか、玄白研究の第一人者である歴史学者の片桐一男氏ら5人の文章もまとめた。
各作品は養生七不可に通じる「心」「食」「薬」、現代的な課題として「高齢」を加えた計六つのテーマに沿っている。認知症予防と食、スポーツと健康、江戸時代のメンタルヘルスなど題材はさまざま。ページ数も多くが3~6ページほどと短くまとめられている。このほか養生七不可の現代語訳なども掲載している。
同法人の小西淳二理事長は「栄養学や健康などに関する有益な情報が書かれている。ぜひ読んでほしいと」と話している。
四六判147ページ。600部発行、1430円。全国の書店や通販サイト「アマゾン」などで販売している。
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