福井県敦賀消防団の消防鳶(とび)隊「つるが鳶」が9月の敦賀まつりに向けて、はしご乗りの練習に励んでいる。つるが鳶の歴史と伝統を“文化遺産”として継承していこうと、本年度から「つるが鳶保存会」に団体の名称を変更。隊員たちは勇壮華麗な技を市民に披露しようと張り切っている。
つるが鳶は、新規の消防団員獲得を目的に2006年に結成。現在の隊員は20~60代の約50人で、例年、1月の出初め式と9月の敦賀まつりで演技を披露している。消防団員や鳶隊員の高齢化や減少に直面する中、技の伝承や後進の育成を図ろうと4月に「つるが鳶保存会」として新たにスタートを切った。
敦賀まつりに向けた訓練開始式が3日夜、敦賀美方消防組合消防本部で開かれ、鳶隊長や番隊長、乗り手、持ち手、消防署員ら約50人が参加。保存会の会長(敦賀消防団長)は「敦賀まつりでは、これまでの訓練で鍛えた演技の数々を存分に披露し、つるが鳶保存会の活動を広く周知してもらいたい。訓練日が仕事終わりや休日と重なり苦労もあるだろうが、演技成功に向けて一致団結していこう」とあいさつした。
その後、敦賀消防署消防訓練センターに移動して訓練を開始。高さ約6メートルのはしご上で、逆立ちして足を大きく広げたり、腕の力だけで水平になった体を支えたりし、ダイナミックな技を次々と繰り広げた。今後、週2回のペースで練習を重ね、演技構成を固めていく。
乗り手のリーダーは「保存会が発足して最初の市民へのお披露目が敦賀まつりで、今まで以上に気合を入れて演技に取り組んでいきたい。小さいお子さんや親御さんに鳶の技や消防団の活動内容を知ってもらい、仲間を増やせていければ」と話していた。
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