紫式部が主人公のNHK大河ドラマ「光る君へ」の越前編スタートに合わせ福井県敦賀市は5月26日夜、パブリックビューイング(PV)を市粟野公民館で開いた。視聴を前にした歴史講座では、大勢の市民が敦賀にあったとされる迎賓館「松原客館」などにも理解を深め、地元の歴史が全国に発信された喜びを感じていた。
古代から大陸の玄関口として重要な地であった敦賀を、市民に再認識してもらうと同時に誘客にもつなげたいと企画した。米澤光治市長らも出席した。
歴史講座は地域史研究団体「気比史学会」の糀谷好晃会長が講師を務めた。松原客館は、櫛川遺跡や気比神宮付近など7カ所の候補地があると説明。古代の海岸線が引かれた敦賀湾の地図や1950年代に撮影した候補地の田園風景の写真なども交えながら、それぞれの可能性を説明した。
式部らが通った近江国塩津と敦賀を結ぶ深坂峠も取り上げた。93年に市内の小学生親子が深坂古道をハイキングしたことを伝える新聞の記事も示され、来場者は市内の歴史的な場所を身近に感じた様子だった。
放送を見終えた糀谷会長は「松原客館が立派な施設として登場した。敦賀が日本でも屈指の津(港)で、重要な地だったことを大勢の人と再確認できた。新幹線が開業した歴史的な転換点に、全国の人に知ってもらえたことはうれしい。敦賀の存在感をアピールしていきたい」と話していた。
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