地元の名水「雲城水」を使ったサバ缶=小浜市一番町

 福井県小浜市一番町に湧き出る「雲城水(うんじょうすい)」の保全管理を行う一番町振興会が、名水わき水を使ったサバ缶を開発した。高齢化などで維持管理が難しくなる中、サバ缶売り上げを雲城水の保全活動に充てる。同会は「当たり前のように飲んでいる地元のおいしい水の素晴らしさを認識してほしい」と話す。

 雲城水は一番町の船だまり横にある井戸から自噴する淡水。1949年に雲城高等小学校(現雲浜小)の卒業生が堀ったといわれている。2008年、環境省の「平成の名水百選」に認定され、県内外から多くの人が水をくみに来る。

 井戸周辺の清掃活動などを行ってきた同会では、区民の減少、高齢化が進む中、保全活動へサバ缶製造を行うことにした。獲得した資金は清掃活動の一部を外部に委託する費用や、井戸にある照明の電気代などに充てる予定。

 福井缶詰(同市川崎1丁目)に依頼し、千缶製造した。蒸したサバに雲城水に加えしょうゆ、砂糖などで作った調味液を入れ味を染みこませている。まろやかな味わいが特長の雲城水によって、サバ本来の味が引き出され、同会の上田さんは「パスタなど調理方法はいろいろあるが、まずはそのまま味わってほしい」と熱く語る。

 今後、売れ行きによって増産も検討する。上田さんは「地域にとって誇れる場所になれば、自然と守っていこうと思うようになる。雲城水が小浜の魅力の一つとなれば」と話した。

 1缶180グラム入り、648円。同市の若狭フィッシャーマンズ・ワーフや道の駅「若狭おばま」、若狭町の道の駅「熊川宿」などで販売している。

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