• 倒木した樹齢500年以上のカヤの木を使った箸と数珠=小浜市門前の明通寺
  • 倒木したカヤの木(明通寺提供)
倒木した樹齢500年以上のカヤの木を使った箸と数珠=小浜市門前の明通寺

 福井県小浜市門前の明通寺は、2020年に倒れた樹齢500年以上のカヤの木を再利用した塗箸や数珠を製作した。寺の維持管理に充てるための募金返礼品として参拝者に配布している。副住職は「寺を見守る役目を終えた木が箸や数珠に姿を変えて皆さんのお手元で新たな役割を果たせたら」と願う。

 カヤの木は勝手門の付近にあり高さ14メートル、幹回り約3・4メートル、直径約1メートルの巨木で、1960年に市指定の天然記念物に指定された。20年12月、根元から折れているのを中嶌さんが発見した。寿命が原因と見られている。

 寺では倒木した当初から活用法を考え昨年7月から準備を進めてきた。箸の製作は箸製造販売のせいわ箸店(竜前)に依頼し、漆を塗った光沢感ある箸約500膳を用意。数珠は中嶌さんが工具を使って、直径1センチほどの玉を作り同寺本尊の薬師如来などの仏を示す梵字(ぼんじ)を記した親玉1個を含め計18個ほどつなぎ合わせた。箸や数珠は全て祈祷(きとう)を受けている。

 同寺の檀家(だんか)は20軒ほど。新型コロナウイルス禍前に年間2万5千人ほどだった参拝客は半減しており、維持管理費の確保へ募金を呼び掛けている。1万円以上した参拝者には箸か数珠のどちらかを配布している。

 本堂と三重塔が国宝に指定されている明通寺。副住職は「地元の人が大切にしてきたからこそ、現在まで残っている。この取り組みを通じて、文化財の保存に対して目を向けてもらえたら」と話した。

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