敦賀ふぐや敦賀真鯛を販売している自販機=敦賀駅隣接の交流施設オルパーク

 北陸新幹線終着駅の敦賀駅に隣接する交流施設オルパーク内に、地元のブランド魚「敦賀ふぐ」「敦賀真鯛(まだい)」の刺し身などの自動販売機が置かれている。列車内で食べられるフグのセットもあり、港町の駅らしい珍しさで観光客らにも喜ばれている。

 「漁師の自販機」を管理する漁師の石川さんは北海道出身で、義父の屋号から「ふぐや五良左ヱ門」を名乗る。大阪や京都などの飲食店で磨いた腕の持ち主だ。オルパークの知り合いのスタッフから「新幹線駅の目玉として何かできないか」と相談を受け2023年4月に設置した。

 敦賀ふぐや敦賀真鯛は、敦賀湾の水温が低い環境でじっくりと育てられ、身が引き締まっているのが特徴。自販機では、主にお土産用として▽真鯛のたたき(800円)▽フグのてっぴ(皮、750円)▽真鯛のたたきとアラ煮セット(1700円)▽てっさ(刺し身)やてっぴ、ヒレが入った「敦賀ふぐてっさセット」(2人前、5400円)―など5種類を用意している。

 1番人気は「電車の中で食べられる敦賀ふぐセット」(2人前、4900円)。切られた状態のてっさやたたきにポン酢も付いていて、30分程度で自然解凍し、食べることができる。日本酒のつまみとして車内で味わう人も多いという。

 3月末、大阪から金沢へ向かう途中で敦賀駅に降り立った大阪市の夫妻は「魚の自販機は初めて見た。海の町らしくていいですね」と話し、旅の記念にと真鯛のたたきとフグのてっぴを購入していた。

 石川さんによると、県外の旅行者だけでなく地元住民が買い求めることも少なくないと言い、新幹線開業前の今年正月ごろから売れ行きが伸びている。石川さんは「養殖のフグやマダイは年中おいしく食べられる。敦賀の味を多くの人に楽しんでもらいたい」と話している。

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