水揚げされた丸々と太ったふくいサーモン=8日、小浜市宇久の宇久漁港

 海面養殖による福井県産養殖トラウトサーモン「ふくいサーモン」の水揚げ、出荷が4月8日、小浜市で本格的に始まった。順調に成長し3キロを超す大型もみられた。県内の海面養殖による出荷量は昨季並みかそれ以上。県産トラウトサーモン全体では、大野市で行われている淡水養殖と合わせ過去最高となる約380トン超の出荷を見込む。

 海面養殖は小浜市、おおい町、美浜町、敦賀市で行っている。県内外の育成施設で育てた稚魚を、昨年12月に各海面養殖施設に移し養殖を始めた。

 小浜市では地元漁師らでつくる「市トラウトサーモン養殖振興協業体」が同市宇久漁港から約1キロ沖合にある養殖いけすで約4千匹を育てている。

 今季は冬場の降雪が少ない影響で海水温の低下があまりなく、餌の食いつきが良かった。このため順調に成長し例年より1週間早い水揚げとなった。

 この日は午前9時半ごろから作業を開始し、クレーンで養殖いけすから約150匹を船に移し水揚げした。丸々と太ったサーモンが次々に作業台に載せられ、作業員らが手際よく生け締めし、氷水の入った容器に入れていった。

 同協業体の会長は「今年も立派なサーモンに仕上がっている。福井に観光などで来た県外の方にも是非とも食べてもらいたい」と話した。今季は8トンの出荷を見込み、9日以降に県内外のスーパーや鮮魚店で販売が始まる。

 海面養殖では県内最大の養殖地のおおい町大島が15日から水揚げが始まり、160トンの出荷を見込む。美浜町も近く開始する予定。水揚げは5月中旬まで続く。

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