北陸新幹線県内開業に合わせ、福井県敦賀市の神楽町1丁目商店街振興組合は週末や祝日を中心に商店街の歩道にキッチンカーを並べる取り組みを始めている。商店街は気比神宮の大鳥居から西へ延びる通りにあり、年間約70万人の参拝者を呼び込み、気比神宮の参道としてにぎわいを生み出したい考えだ。
キッチンカーの出店は「週末の気比神宮前がランチ会場に!」というコンセプトで「かぐランチ」と名付けて3月23日に開始。敦賀の塩を使った塩ラーメンや和洋菓子、天ぷら、カレーなどを販売する10事業者が参加している。歩道にテーブルや椅子を並べ、休憩できる場所を用意している。
敦賀港産の地魚を使った「おばんざい弁当」やインドの飲み物「マサラチャイ」を提供する「チャイ屋」の吉川さんは「春休みということもあってか土日に限らず観光客が増えている印象。商店街のにぎわいづくりに貢献できれば」と、ランチ需要を取り込もうと平日の出店も決めた。
気比神宮の2022年の観光客入り込み数は69万2000人で県内有数の観光名所だ。新幹線開業に伴い、大鳥居前で記念撮影する観光客らの姿も目立ち、一層にぎわいを見せている。神楽町商店街で駄菓子屋「のんのん」を営む大石さんは「県外から来られるお客さんもちらほらいて、間違いなく人の流れは変わってきた」と話す。
キッチンカー出店は5月6日まで実施予定で、期間中の成果を踏まえて延長も検討する。気比神宮を訪れた人からは飲食や休憩場所が設けられたことを歓迎する声も聞かれ、同振興組合の中山喜美子理事長は「手応えを感じている。キッチンカーからさらに一歩、商店街の奥へ入ってもらえるよう、しっかりおもてなしをしていきたい」と話している。
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