サバなどの缶詰がずらりと並ぶ売り場。スタッフが作成したポップも目を引く=小浜市和久里の道の駅「若狭おばま」

 福井県小浜市の第三セクター「まちづくり小浜」が運営する同市和久里の道の駅「若狭おばま」がリニューアルして間もなく1年。鯖街道をコンセプトに、品ぞろえや売り場を充実させ、2023年度の売り上げは前年度から6割増加するなど好調だ。同社は「小浜にはまだまだ知られていない魅力がたくさんある。道の駅だけでなく小浜全体で盛り上がってくれれば」と話す。

 道の駅は2011年3月にオープン。22年度の売り上げは1億4500万円で過去最高を記録した。リニューアルに向け22年8月に着工し23年3月末に完成した。それぞれ独立していた物販館と情報館を連結し、物販スペースを約1・6倍に広げている。

 23年度の売り上げは2億4千万円となる見込みで1人当たりの客単価も2559円と3割ほど増加した。少なくとも35万人以上が訪れたとみられる。

 好調な要因にはマーケティングや販売方法などを大幅に見直したことも一因となっている。

 取引先は県内事業者を中心に20社ほど増やし、売り上げデータを基にした商品入れ替えや事業者に販売方法の提案をするなど、顧客ニーズを重視。各事業者ごとに売り場のスペースを持つ方式から、魚の干物やへしこなど種類ごとに陳列する方式に変更した。

 コンセプトを「鯖街道ワンダーランド」と明確にしたことで販売戦略が立てやすくなった。スタッフもコンセプトを基にポップ作成や陳列方法などのアイデアを出しあっている。またサバがデザインされたのれんなどが交流サイト(SNS)で拡散されることも増えたという。

 北陸新幹線が敦賀まで延伸し、今後小浜へのさらなる観光客増加も見込まれる。御子柴北斗社長は「小浜の玄関口として、旅行客が道の駅で小浜の情報を知り、『その場所に行ってみよう』となるような、周遊のハブとなる場所にしたい」と話した。

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