福井県敦賀市山で100年以上栽培されている伝統の春野菜「黒河マナ」の収穫がピークを迎えている。3月21日は生産者の山内さんが手際よく1本ずつ摘み取っていた。「甘みが特徴。新鮮で臭みのない春の味を多くの人に食べてほしい」と話している。収穫は3月末まで続く。
黒河マナはアブラナ科の葉物野菜で、9月初旬に種をまき、雪の下で冬を越す。葉と茎をおひたしや漬け物にするとおいしいという。現在は同市山の4、5人が個人で出荷に向けた栽培を行っている。暖冬の今シーズは成長を抑える雪が少なかったことで、肥料をやる前に茎が細い状態で伸び、花が咲くなど栽培に苦戦している生産者もいるという。
山内さんは約3アールの畑で、つぼみが膨らんだ軟らかい茎を選びポキッポキッと音を立てて丁寧に摘み取っていった。山内さんは「生産者の高齢化で栽培農家が減っているのは寂しい。マナを求めてくれている人は多いので、今後も体の続く限り栽培したい」と話した。
生産者が収穫した黒河マナは市農産物直売所「ふるさと夢市場」(砂流)やJA直売所「旬・ときめき広場」(三島町2丁目)で販売している。
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