福井県若狭町北庄の三方湖畔にあるかやぶきの舟小屋で2月29日、ライトアップが始まった。かつて農家が収穫した梅を運ぶ舟を係留していた小屋。風情が残る6棟が幻想的に浮かび上がっている。3月24日まで。
町によると、梅を運ぶ舟は昭和50年代以降、道路や護岸の整備が進み次第に使われなくなったが、かやぶきの舟小屋は観光スポットとして保存活用されてきた。
ライトアップは、北陸新幹線敦賀開業の機運を盛り上げるとともに、現存するのは全国的にも珍しいかやぶきの舟小屋をPRし、三方五湖周辺の魅力アップにつなげようと町が企画。2015年に舞鶴若狭自動車道全線開通を記念して行って以来2回目となる。
LED(発光ダイオード)ライトを12台設置した。午後6~9時に自動で点灯するように設定している。
三方湖畔には、北庄と伊良積両区に計10棟の舟小屋がある。両区で老朽化が激しかった4棟は19年度から本年度にかけ、地元有志グループ「舟小屋プロジェクト」が京都府南丹市のかやぶき職人の指導の下、修繕してきた。
町観光商工課の担当者は「職人さんからは、かやぶきの舟小屋があるのは全国でも貴重だと褒めていただいた。観光の目的地になるようどんどんPRしていきたい」と見据えた。
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