福井県小浜市の若狭神宮寺周辺で3月2日に営まれる「お水送り」を前に、舞台となる同市下根来に2月11日、伝統行事をアピールするイルミネーションが設置された。クライマックスの「送水神事」、下根来と「お水取り」が行われる奈良・東大寺に縁のあるワシを発光ダイオード(LED)で表現している。3月1日まで。
設置された鵜の瀬公園はお水送りのクライマックスで、若狭神宮寺でくみ上げられた「御香水(おこうずい)」が注がれる遠敷川そばにある。御香水は奈良・東大寺二月堂の「若狭井」に届くとされている。
下根来区民でつくる「下根来さみどり会」が3年ぶりに実施。約1500個のLEDを使用した。
送水神事のイルミネーションは、白装束の若狭神宮寺住職が遠敷川に御香水を注ぐ様を表している。青色のLEDが点滅し、水が流れるように見える演出を楽しめる。
ワシは、東大寺初代別当・良弁(ろうべん)和尚(下根来出身)の民話が基になっている。幼少のころ下根来でワシにさらわれ金鐘寺(きんしょうじ)(東大寺の前身)の大杉に落とされたという話になぞらえ、ワシが東大寺へ飛び向かう様を表現した。
同会の会長は「幻想的なイルミネーションを見て、お水送りに興味を持ち参加してほしい」と呼びかけている。
点灯時間は午後6時~同9時。
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