MR(複合現実)技術を活用した音声ガイドの使い方を実演する県年縞博物館職員=若狭町の同館

 年縞(ねんこう)の世界に没入してもらおうと、福井県若狭町の県年縞博物館で、来館者の場所に応じて自動で解説が流れるMR(複合現実)技術を活用した音声ガイドの導入に向けた実証実験が行われている。3月の北陸新幹線敦賀開業によるインバウンド(訪日客)の増加も見据え、英語版もある。2月末までで、無料で体験できる。

 新幹線開業で観光客の増加が見込まれる中、展示をより楽しんでもらい、訪日客の理解も助ける狙い。音声ガイドは、デジタルトランスフォーメーション(DX)技術で地域課題を解決する事業を支援する県の「CO―FUKUI未来技術活用プロジェクト」の採択を受けた「GATARI」(東京)が開発した。

 実証実験では、スマートフォンと眼鏡型スピーカーを貸し出して体験してもらう。専用アプリを開いて日本語か英語を選び、1階の年縞シアター前でスマホ画面の画像と同じ風景をカメラで写すと、ガイドが始まる。スマホは画面を胸に当てるようにして持ち、音声誘導に従って移動すると、展示に合わせた解説が随時流れる。

 同館によると、MR技術を使った音声ガイドの導入は北陸初になるという。担当者は「来館者の満足度アップにつなげるとともに、先進的な取り組みで博物館の知名度も上がれば」と期待した。

 実証実験の利用者アンケートを踏まえガイドの内容などを精査する。4月からの本格導入を予定しており、有料になるという。自身のスマートフォン(iPhoneに限る)でアプリをダウンロードして利用してもらう。

 火曜休館。問い合わせは同館=電話0770(45)0456。

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