• 北陸新幹線「W7系」の車窓から望む足羽川と桜並木=2月1日、福井県福井市毛矢1丁目
  • 報道試乗会で北陸新幹線の車窓から景色を撮影する報道陣ら=2月1日、石川県内
北陸新幹線「W7系」の車窓から望む足羽川と桜並木=2月1日、福井県福井市毛矢1丁目

 3月16日に開業する北陸新幹線金沢―敦賀間(延長約125キロ)の試乗会が2月1日、4日間の日程で始まった。初日の第1便には報道関係者が乗り込み、時速200キロを超える高速走行を体感し、車窓からの眺めを楽しんだ。一般向けの試乗会は3、4日に開かれる。

 開業ムードを盛り上げようとJR西日本が企画。全国の報道機関から約150人が参加した。

 アイボリー地に青色と銅色のラインを配した12両編成の「W7系」は午前10時13分、敦賀駅を滑るように出発。ぐんぐんと加速した。県内区間も乗り心地は快適だ。敦賀市と南越前町を結ぶ新北陸トンネル(延長19・76キロ)にさしかかると「JR北陸線の北陸トンネルの1・5倍の延長ですが、最短5分で駆け抜けます」と車内アナウンスが流れ、新幹線のスピードを改めて実感した。

 レール脇の防音壁は思ったより低く、福井県福井市中心部では車窓から足羽山や足羽川の景色を楽しめた。3月の開業直後は満開の桜が県外からの観光客をもてなしてくれることだろう。県道と新幹線が橋脚を共有する九頭竜川橋では、真横の県道を走る自動車を視界に捉えようと、記者やカメラマンが車窓からのぞき込む光景が見られた。この日はあいにくの天気で白山を望むことはできなかったが、開業後は壮大な山並みの眺望を楽しめそうだ。

 W7系は越前たけふ、福井、芦原温泉の各駅に停車。石川県内の2駅は通過し、午前11時10分に金沢駅に到着した。この日の所要時間は57分。敦賀-金沢間は最速41分で結ばれる。特急サンダーバードを利用した場合は1時間20分前後かかるだけに、「速いなあ」と新幹線の時間短縮効果を実感した。

⇒【写真】報道陣で埋まった北陸新幹線の車両内

 旅行雑誌の取材で試乗会に参加した紀行文ライターの蜂谷あす美さん(福井市出身)は「車窓から(並行して走る)サンダーバードがちらっと見えたときは胸がいっぱいで泣きそうになった。車窓の景色があっという間に変わり、やっぱり新幹線のスピードは違うなと。本当に来月から毎日走るんだと思うと感動しかない」と笑顔を見せた。

 2日は沿線自治体や報道関係者らを対象に試乗会が開かれる。3、4日の一般向けの試乗会は全国から15万325人の応募があり、抽選で選ばれた約2千人が乗車する。

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