福井県敦賀市相生町の旧西町で400年以上続いてきた国指定重要無形民俗文化財の「夷子(えびす)大黒綱引き」が1月21日、新型コロナウイルス禍による中止から4年ぶりに行われた。「よいしょー、よいしょー」-。力強い掛け声とともに綱を引っ張る参加者。大勢の見物客が集まり、会場は熱気に包まれた。
見物客も綱が引ける参加型の伝統行事。夷子方と大黒方が引き合い、夷子方が勝てば豊漁、大黒方なら豊作の1年になるとされる。
新幹線敦賀開業に合わせ夷子役はJR西日本金沢支社敦賀地域鉄道部の北林荘八部長が務めた。大黒役の米澤光治敦賀市長らと衣装の着付けをし、「夷子勝った、大黒勝った、エンヤ、エンヤ」と掛け声が響く中、通りを練り歩いた。軒下につり下げられたのは長さ約50メートル、直径約30センチの大綱。2日間で市民ら延べ約170人が綱づくりに携わった。
約200人が綱を引き合い大黒方が勝ち、今年は「豊作」に。綱引き後は参加者らが防火のお守りとして大綱のわらを持ち帰った。
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