わらを束ね、「玉」と呼ばれる綱の材料を作る参加者=13日、旧敦賀北小

 福井県敦賀市相生町の旧西町通りで1月21日に国指定重要無形民俗文化財「夷子(えびす)大黒綱引き」が4年ぶりに行われるのを前に13日、旧敦賀北小体育館で綱引きに用いる大綱作りが始まった。市民らがわらを束ねるなどの作業に奮闘した。

 綱引きは旧西町に400年以上前から伝わり、夷子方と大黒方で引き合って夷子方が勝てば豊漁、大黒方なら豊作の1年になるとされる。新型コロナウイルスの影響で昨年までは3年連続で中止となっていた。

 13日は募集して集まった市民や「敦賀西町の綱引き伝承協議会」のメンバーら約90人が作業に励んだ。市内の業者から購入したわらの外側をむいて硬い芯の部分を残し、直径4センチほどに束ね「玉」と呼ばれる綱の材料を作っていった。「玉」を束ねた綱3本は麻のロープを芯にしすき間ができないように巻き付けていった。友人2人と参加した敦賀高1年の生徒は黙々とわらの外側をむき、「初めてで最初は難しかったがだんだん慣れた。貴重な経験になった」と話していた。

 14日も同体育館で作業を行い、長さ約50メートル、太さ約30センチ、重さ約500キロの大綱を完成させる。飛び入り参加も可能。協議会の会長は「本番の綱引きも誰でも自由に参加できるので、ぜひ多くの人に来てほしい」と期待していた。

 21日は午後0時半から夷子大黒会館で神事が営まれる。綱引きは午後3時ごろを予定している。

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