福井県美浜町新庄で100年以上続くとされる伝統行事「カイロ講」が1月6日、行われた。子どもたちが一軒一軒巡って古くから伝わる歌を歌い、無病息災と家内安全を祈願した。
カイロ講は若狭地方の30カ所以上で行われている「戸祝い」「キツネガリ」の一つ。2019年に国選択無形民俗文化財となった。本来二つは別の行事だが、同地方では主に習合的に行われ、除災招福を祈願するという。地域によって呼称や特徴が異なり、新庄区では「キツネを狩ろう」を語源とするカイロと呼ばれる。
同区では現在、田代と寄積の2集落で受け継がれている。田代では園児と小学生の計10人が約40軒を訪問。玄関先で「今年の年はめでたい年で」「カ~イロ、カイロノ」などと元気よく歌った。
家人は笑顔で出迎え、「ごくろうさん」などとねぎらい、お年玉やお菓子を渡した。美浜中央小6年の児童は「みんなが健康に過ごせるように願いながら歌った。地元の伝統がこれからも受け継がれていってほしい」と話していた。
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