福井県産養殖トラウトサーモン「ふくいサーモン」の海面養殖が12月14日、おおい町と美浜町で始まった。県内最大の養殖地のおおい町大島では23日までに育成施設から運ばれる稚魚6万5千匹を海上いけすに移し養殖する。今季は大野市にある養殖施設でもふくいサーモンの淡水養殖を拡大させる予定で、県全体で前年比約2倍となる約400トンの生産を目指す。
海面養殖は、大野市の育成施設で育てた稚魚を敦賀、小浜市、美浜、おおい町の海に移し行っている。今回で9シーズン目。
海面養殖と並行し、設備を一新させた育成施設でも、海に移さず淡水で成魚まで育てる「ふくい名水サーモン」の生産を拡大。年間を通した出荷を目指している。
おおい町では福井中央魚市、大島漁協の関係者が作業に当たった。昨季より大きい700グラムに成長した稚魚約4千匹が入った水槽がトラックで岸壁に運ばれ、塩分濃度を上げて海水にならす「馴致(じゅんち)」を行った。水槽と海上のいけすをホースでつなぎ、稚魚を次々と流していった。稚魚はいけすに一晩置き、沖合約1キロの大型いけすに移動する。
2~3キロになるまで育て、来年4月に水揚げ、出荷する。担当者は「今年は稚魚も大きく元気に育っている。県民が楽しみにしているふくいサーモンを大きく育てたい」と話している。
15日から敦賀市、21日からは小浜市でも養殖が始まる。
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