敦賀まつりの山車(やま)巡行でかつて使われていた見送幕(みおくりまく)を紹介する企画展「つるがの山車 古の懸装品~幻の見送幕~」が12月7日、福井県敦賀市みなとつるが山車会館で始まった。江戸末期から明治元(1868)年の間に製作したとされる西洋風の見送幕など3点を展示している。来年1月23日まで。
「獅子人物文綴織壁掛(ししじんぶつもんつづれおりかべかけ)」(市指定文化財)は、1873年に個人の山車が廃止になり、巡行で使われなくなったことから永建寺の檀家(だんか)が同寺に寄進したものとされている。縦糸に麻、横糸に絹を使った国産の綴織で制作されており、獅子に人がまたがり、背景にはマツに似た木や海のほか、西洋風の建物があるなど、輸入された西洋画などを基にした敦賀の山車では珍しいデザインとなっている。
オランダ製の黄色の毛織物に金糸で「大内町」の文字を刺しゅうした見送幕は、2009年まで御所辻子(ごしょのずし)山車を飾った。08年まで東町(ひがしまち)山車の後方の扇形の幌(ほろ)を包む幕として活用されていた江戸時代の胴幕も展示されている。
同館の学芸員は「普段は見られない貴重な見送幕を見て、かつての敦賀の山車を想像してもらいたい」と話した。入館料300円で、高校生以下無料。毎週月曜と29日~来年1月3日は休館。12月17日と1月21日は無料開館する。
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