砕導山城跡に残る遺構の紹介動画を撮影する生徒=11月16日、高浜町

 福井県高浜町にある県内最大規模の山城「砕導山(さいちやま)城」の魅力発信に向け、地元の高浜中生が動画制作に取り組んでいる。山城跡に残る遺構の役割を“武士姿”の生徒が寸劇で紹介。観光客に見てもらえるよう、現地の案内看板に動画を視聴できるQRコードを設置する。

 砕導山城は、戦国時代の若狭地方を治めた守護大名武田氏の重臣・逸見昌経(へんみまさつね)が築いた山城。1561(永禄4)年に昌経が武田氏に謀反を起こした際、山城を拠点とし武田氏を迎え撃ったものの半年ほどで落城したとされる。

 同校生徒は同城跡保存会と協力し、2年前から山城跡の登山道整備や案内看板設置などに取り組んできた。動画制作は、案内看板を見た観光客が山城での戦いの様子をイメージしやすいようにと、3年生10人が企画した。

 動画は、佐伎治神社の脇にある登山道の入り口をはじめ、敵の侵入を防ぐ堀切、切岸、土橋の計4カ所で撮影を実施。山城の概要や各所の防衛機能について生徒が案内看板の前で説明し、手作りの甲冑(かっちゅう)や武器で当時の戦いを再現する。案内看板にQRコードを設置しスマートフォンで動画を視聴できるようにする。再生時間は各場所1分程度。12月中旬までに設置を予定している。

 リーダーは「看板を見た人が理解を深めやすいよう動きのある動画を制作している。砕導山城の造りに興味を持ってほしい」と話し、他の生徒も「実際に山城を見に来てほしい」とPRしている。

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