来年3月16日に開業する北陸新幹線敦賀駅の在来線特急ホームの整備がおおむね完了し11月20日、特急列車の試運転が行われた。新幹線と在来線の乗換駅に車両が初めて入線し、JR西日本の社員が設備の安全を確かめた。
敦賀駅は北陸新幹線の当面の終着駅で、3階の新幹線ホームと2階の乗り換えコンコース、1階の在来線特急ホームを行き来する「上下乗り換え」式を採用した。特急ホームは2面4線構造で延長265メートル。乗り場は31~34番線。12両編成の特急列車が乗り入れでき、エスカレーター8基とエレベーター2基を備えている。8分程度で乗り換え可能という。同ホームから米原方面に約2キロ離れた位置に既存の在来線との分岐点を設け、延長約3キロの新しいレールを設置した。
JR西は19日夜から在来線特急ホームを運用するためシステムをつなぐ工事を実施し、20日朝に完了。同日、試運転の様子が報道陣に公開され、12両編成のサンダーバードが時速25キロ以下の徐行運転で同ホームに入線した。線路の強度のほか、放送機器や信号などの設備が正常に作動するかなどを確認した。試運転は23日まで4日間行われる。
JR西大阪工事事務所金沢工事所敦賀派出所の武部啓吾副所長は「今回の工事完了で新幹線と在来線がつながり、相互に乗り換え可能な状態が整った。新幹線の開業に伴い、これまで以上に多くのお客さまが行き交うことが予想されるが、万全を期して開業を迎えたい」と話した。
新幹線敦賀駅の高さはビル12階に相当する約37メートルで、2階乗り換えコンコースの改札は19通路を備えるなど整備新幹線の駅で最大規模となる。新幹線の乗り場には11~14番線が割り当てられている。JR小浜線、北陸線、ハピラインふくいの在来線の駅とは跨線橋(こせんきょう)でつながる。
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