• 三方五湖周辺の環境の変遷を実物の葉も用いて解説する特別展=若狭町の県年縞博物館
  • 縄文から弥生時代の人々の環境利用を紹介する特別展=若狭町の若狭三方縄文博物館
三方五湖周辺の環境の変遷を実物の葉も用いて解説する特別展=若狭町の県年縞博物館

 福井県若狭町の県年縞博物館と町若狭三方縄文博物館は、特別展「カヤネズミは見ていた―水月湖の年縞に刻まれるもの」を開いている。それぞれ自然環境編、自然活用編と題し、水月湖の年縞掘削調査で明らかになった三方五湖周辺の環境の変遷を、人間の活動と合わせ多彩な展示で紹介している。10月12日まで。

 年縞博物館には、三方五湖で取れる貝の標本や年縞の気候分析に使う植物の花粉など158点が並ぶ。水月湖内の映像には、上部の層は光合成をする生物で緑色に見えるが、湖底に近づくと光や酸素が届かず暗く、白っぽくなる様子が映る。同館の北川学芸員は「どちらの層にもさまざまな微生物がおり、巡り巡って豊かな自然ができている」と話す。

 年縞に含まれる花粉組成をカラフルなビーズで表現した展示や実物のドライフラワー、落ち葉などが並び、気候の変化による自然環境の変遷を学ぶことができる。

 縄文博物館では縄文時代の人間の生活にフォーカスを当て、三方五湖周辺の遺跡から出土した生物由来の遺物など約100点を展示している。

 64年前に鳥浜貝塚(同町鳥浜)から出土した縄文時代前期のツキノワグマの歯で作ったペンダントは今回が初公開。小島学芸員によると、仕留めたことを誇る意味合いがあったと考えられるという。

 食料や道具の使い方の変化を解説するパネルも用意し、縄文時代からの人々の自然との関わりを紹介している。

 タイトルのカヤネズミは、数万年前の氷期に大陸から渡ってきたとされる日本最小のネズミ。古くから三方五湖周辺にも生息し、今回の特別展では環境変化を見てきた象徴的存在として位置付けた。小島さんは「両館の展示で、三方五湖周辺の暮らしの歴史を暮らしと環境の両面から見てほしい」と話した。

 両館とも午前9時~午後5時。火曜休館。両館共通観覧券は一般700円、小学生~高校生280円。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)