コーヒーの抽出技術を競う全国大会で、福井県敦賀市本町1丁目の自家焙煎(ばいせん)コーヒー専門店「新田珈琲」3代目店主の新田和雄さんが県勢初優勝を果たした。2018年には妻の千香子さんがコーヒーの味などの違いを判別する全国大会で日本一になっており、2人は「夫婦でアドバイスし合い、技術を高めた結果」と喜んでいる。
大会は、一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会(東京)が主催する「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ」。金沢市など全国7カ所で予選が行われ、計約200人が参加。新田さんら15人が9月29日に東京ビッグサイトで行われた決勝に臨んだ。
決勝はドリップとフリーの2競技あり、ドリップは当日発表された豆を使い量が異なるコーヒーを2杯抽出し、味の均一性などを競った。フリーは、器具を選んだ理由や工夫点などをプレゼンテーションしながら抽出し、その発表内容も審査対象になった。
新田さんは、緊張で湯を注ぐ機器の操作がうまくいかない場面があったものの、審査員から「コーヒー本来の甘味が出て、口当たりが優しい」と高く評価された。
日本スペシャルティコーヒー協会によると、主催の全国大会で夫妻が日本一になるのは初めてという。
妻の千香子さんは、抽出技術の大会でも17、19年に3位入賞を果たしている。これまで4回連続で予選で涙をのんだ新田さんは、今回の大会に備え、妻からアドバイスをもらい、豆の特徴を把握し練習を繰り返したという。
新田さんは「自分に足りない点を見つめ直した。今回は高校3年の娘や中学2年の息子にもプレゼンを聞いてもらい、家族に応援してもらった。ハプニングもカバーでき、最高の結果が生まれた」と話した。
今回の大会では、福井市宝永3丁目の自家焙煎(ばいせん)コーヒー専門店「VENGA!COFFEE」店主の細野康弘さんも決勝に進出し、5位に入った。
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