来年3月16日の北陸新幹線金沢―敦賀間の開業に向け、新幹線車両「W7系」を使った走行試験が9月26日始まり、構想から半世紀を経て新幹線の営業車両が初めて福井県内の区間を駆け抜けた。歴史的瞬間を目に焼き付けようと、沿線の眺望スポットには鉄道ファンらが集まり、新幹線が切り開く未来に期待した。
12両編成のW7系は同日午前2時26分、白山総合車両所(石川県白山市)を出発。車両と駅のホームの間隔などを確認しながら走行した。石川県内の金沢、小松、加賀温泉の3駅を通過した後、石川、福井県境の加賀トンネルを越えて福井県内に入り、午前7時23分、終着駅となる敦賀駅のホームに滑り込んだ。鉄道建設・運輸施設整備支援機構によると、大きなトラブルや障害はなく、初日の走行試験を終えたという。
10月1日には芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の4駅でW7系の歓迎セレモニーが開かれる。走行試験は、新幹線検測車「イーストアイ」を含めて12月9日までのうち約40日間、1日1往復程度のペースで実施。走行試験終了後、国土交通省の完成検査を経て、年明けごろからJR西日本の運転士が習熟訓練の試運転を行い、開業に備える。
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