秋祭りで奉納された風祈能「一人翁」=19日、若狭町気山の宇波西神社

 秋の五穀豊穣を祈願する伝統芸能「風祈能(かざいのう)」が8月19日、若狭町気山の宇波西神社で営まれた。国選択無形民俗文化財となっている若狭能倉座の神事能の一つ「一人翁」が厳かに奉納された。

 風祈能は、収穫前の農作物が台風などの被害を受けないように祈る神事能。同神社では秋祭りに合わせて行われ、室町時代の若狭猿楽の流れをくむ「若州藩相続若狭能倉座」が長年演じている。

 「一人翁」は県無形民俗文化財にも指定され、倉座の座長が演じる決まりとなっている。第85代座長の大江さんが、狩衣をまとった翁役で登場した。境内の能舞堂で漆塗りの箱から翁の面を取り出し付けると、扇を手に、ゆっくり歩いた後に足踏みするなど独特の舞を披露した。

 後継者不足により嶺南地域の神社の例祭で披露する演目は、昨年から一人翁がメインとなっているという。里の平安を願って舞ったと振り返った大江さんは「今後も神事能を守り伝えていきたい」と話した。風祈能は20日、美浜町の彌美神社でも奉納された。

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