福井県小浜市内の各寺院で紅葉が見頃を迎えている。今年は気温の高い状況が長く続いた影響で、参拝者は例年より遅くまで赤や黄色に色づいたモミジを楽しめそう。見頃は今月末まで。
萬徳寺に「トンネル」 ヤマモミジ100本
日本紅葉の名所百選にも選ばれた小浜市金屋の萬徳寺では約100本のヤマモミジが見頃に。本堂への階段にはモミジの枝が伸び、赤や黄色に彩られたグラデーションのトンネルが参拝客を迎える。11月半ばから徐々に色づき始めたが、暖かい日が続いたことで色づきが進まず、昨年よりも1週間ほど遅く見頃となった。
紅葉したモミジは国名勝に指定された庭園の白砂やツツジなどの緑とも調和。参拝客は足を止めてモミジを眺めたり、写真を撮ったりするなど、思い思いに紅葉を満喫していた。同寺の田中住職は「晩秋を迎え、赤や黄色に色づいた静かな空間で癒やしの時間を過ごしてほしい」と話していた。
拝観は午前8時半~午後5時。料金は大人400円、小学生以下は200円。
常高寺コントラスト 庭園でコケと競演
福井県小浜市浅間の常高寺では鮮やかに色づくモミジとコケのコントラストが美しい庭園が楽しめる。
同寺は江戸時代前期に浅井三姉妹の次女常高院の発願で建立。江戸期から若狭でも著名な寺院の一つだったが、明治以降は寺領没収や火災などで衰退していったという。
1991年から澤口住職らによって復興が進められた。荒れた庭園は澤口住職がモミジやコケなどを植え、整備した。モミジは現在、自生したものを含め約50本が庭園を彩っている。
例年より1週間ほど遅い見頃となったが、赤や黄色に色づいたモミジが季節の移ろいを感じさせる。
12月3日まで「紅葉まつり」も開催。澤口住職は「庭の手入れも修行の一つでそれが実を結んだ結果。自然の趣を感じてもらいたい」と話していた。
拝観は午前9時~午後5時。料金は400円、庭園のみで200円、菓子付きの抹茶席500円。
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