福井県美浜町宮代の彌美(みみ)神社で5月1日、例大祭が行われ、県無形民俗文化財に指定されている「王の舞」が4年ぶりに奉納された。住民らが見守る中、五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、優美でたおやかな舞が披露された。
王の舞は嶺南地域の16神社で毎年奉納されてきたが、新型コロナウイルスの影響で近年中止が相次いでいた。同神社の例大祭は千年以上の歴史があるとされ、しなやかで華麗な動きが特徴の王の舞は「女の舞」とも呼ばれる。
今年の舞い手は佐竹一真さんが務めた。真っ赤な衣装に鳳凰を模した冠、鼻高面をつけて登場。長さ約2メートルの鉾(ほこ)をかざして体を反らせたり、腰を落としたまますり足で踏み出したり、ゆっくりとした動きを繰り返した。
舞を終えた佐竹さんは「伝統がありプレッシャーはあったが、後世につないでいきたいという思いでやりきれた」と汗をぬぐった。
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