ウナギのぼりを手に持ち、「若狭町を日本一の天然ウナギの町にしたい」と意気込む若狭鳥浜鰻会のメンバー=同町鳥浜

 福井県若狭町の三方湖で捕れるウナギをPRしようと、同町鳥浜出身のウナギ料理店主ら6人が「若狭鳥浜鰻(うなぎ)会」を結成し、奮闘している。5月の「こどもの日」にウナギの形をしたのぼりを区内の鰣川(はすがわ)に設置したほか、会としてSNS(交流サイト)やインターネットでのPR宣伝も考えている。「若狭町を日本一の天然ウナギの町にしたい」と意気込んでいる。

 同町のウナギ店は、これまでは高齢店主がそれぞれの店でウナギを宣伝していた。ここ数年、店主の世代交代が進み、「団結して若狭町の天然ウナギの発信力を高めよう」と話が盛り上がった。80代の1人のほか、30代1人、40代3人、50代1人と若手を中心とした会が4月に結成された。

 手始めに鳥浜青壮年会が毎年5月5日の「こどもの日」に合わせて、鰣川で行っている「こいのぼりの吹き流し」で、一緒に飾ろうとウナギ形ののぼり10個を購入した。川の上に横一列にずらりと並んで泳ぐユニークな姿に、観光客からも好評を得たという。

 メンバーの1人で漁師の田辺さんは「町内外の多くの人が喜んでくれた。ウナギのぼりを見て、三方湖のウナギを調べ、来店してくれる観光客もいた」と手応えを感じている様子。

 会員の40代店主は、県外企業とコラボしてウナギの希少部位の頭を使ったカレーも商品化しており、会としても柔軟な発想力で若狭町特産のウナギをアピールしたいという。SNSやインターネットを駆使した宣伝などを考えており、田辺さんは「県外からのお客さんも徐々に増えているが、もっと足を運んでもらいたい」と話す。

 ウナギのぼりに続く町内でのイベントも検討し、会長は「若狭町のウナギを町の活性化の一助にしたい。地元の若い人たちにウナギが特産であることを誇りに思ってもらえるきっかけになれば」と語った。

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