• お水送りに向けたいまつ作りに挑戦する児童ら=16日、小浜市の小浜美郷小
  • 完成したたいまつを試しに担ぐ児童
お水送りに向けたいまつ作りに挑戦する児童ら=16日、小浜市の小浜美郷小

 福井県小浜市の若狭神宮寺周辺で3月2日に行われる伝統行事「お水送り」に向け、小浜美郷小6年生が2月16日、夜の行列で担ぐたいまつを同校で作った。長さ2・7メートルの巨大たいまつ5基を協力して完成させた児童は、当日の行列に思いをはせ「今から楽しみ」と笑顔を見せていた。

 例年、同校6年生児童がお水送りに参加し、たいまつを担いでいる。この日は6年生49人が参加。お水送り保存会員から事前にたいまつの作り方を教わった保護者らが指導した。

 児童は5グループに分かれて作業。長さ2・7メートル、幅10センチの杉板を並べ、その上にシバ、杉の葉を敷き詰めた。燃えやすいようにろうを染みこませた縄を巻き付けた竹を中心に置き、杉板で囲んだ後、麻ひもで縛り上げ完成させた。杉板に「笑顔で毎日がすごせますように」「中学でもみんなが仲良くできますように」などと、願い事を書き込み、たいまつを担ぐ練習も行い本番に備えた。

 お水送りは若狭地方に春の訪れを告げる行事。当日、児童らは若狭神宮寺から約1・8キロ上流の鵜(う)の瀬(せ)まで、奈良の東大寺二月堂へ送る「御香水(おこうずい)」を守りながら、たいまつを持って歩く。

 たいまつを初めて担ぐ児童は「とても楽しみ。地元の伝統を守っていきたい」と話していた。

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