国の重要文化財に指定されている「世界図及日本図(せかいずおよびにほんず) 八曲屏風(はっきょくびょうぶ)」の実物展示が4年ぶりに福井県小浜市の県立若狭歴史博物館で行われている。9月1日まで。
7月に同市と若狭町の日本遺産「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道~」が全国で初めて「特別重点支援地域(日本遺産プレミアム)」に選定されたことを受けて企画。屏風も日本遺産を構成する文化財の一つとなっている。
屏風は2隻(横374・6センチ、縦117・4センチ)で構成。1隻に日本図、もう1隻に世界図が描かれている。16世紀末から17世紀ごろに制作され、屏風に描かれた世界図としては特に古い。小浜の廻船問屋として栄えた豪商の家に伝わったという。現在は同博物館が所蔵している。
世界図にはヨーロッパや中国などが色分けされ、ポルトガルからの航路が記されている。日本図は陸地や雲が金色で表現され、街道や富士山などが示されている。また肥前名護屋(佐賀)から朝鮮半島にのびる航路が記され、豊臣秀吉による朝鮮出兵の影響もうかがえるという。
同館担当者は「当時の地理的な世界観を示す史料。実物ならではの色の鮮やかさや絵の精巧さなども見てほしい」と話した。
一般310円。高校生以下、70歳以上は無料。26日は休館。
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