徳賞寺住職粟谷さんによる巧みな筆遣いのだるま絵が並ぶ作品展=美浜町佐柿の同寺

 だるま絵の禅画家として知られる福井県美浜町佐柿の徳賞寺住職、粟谷正光(しょうこう)さん=雅号・大雲道人(だいうんどうじん)=による作品展が、同寺で開かれている。フランスの伝統的な国際公募展「ル・サロン」での11回連続入選などを記念しており、全入選作など巧みな筆遣いの約20点が並ぶ。

 粟谷さんは2024年のル・サロンで11回連続の入選を果たした。同寺内には作品を展示するギャラリーがあり、スペインのサラゴサ美術館への作品収蔵と画業60周年も記念し、5月5日から始めた。

 同年の入選作「不動心」はだるまの周りを竜が飛んでいる構図。だるまは落ち着いた表情で、粟谷さんは「災害や戦争などの災難があっても、だるまは落ち着いて物事に対処するだろう。私もそうありたいという気持ちを込めた」と話す。

 だるまと竜が力強い目つきで対峙(たいじ)する20年の入選作「黙」や、だるまが厳しい表情で正面をにらみつける19年の「而今」なども目を引く。粟谷さんは「いまだに納得のいく作品ができることはない。それぞれの感じ方で鑑賞してほしい」と話していた。

 作品展は秋ごろまで。入場無料だが事前連絡が必要。問い合わせは粟谷さん=電話090(1631)5278。

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