防火を祈る福井県敦賀市白銀町の白銀神社の「火まつり」が5月4日夜、敦賀駅周辺で開かれた。男衆や子どもらが火みこしを乗せた台車を引いて町内を練り歩き、たいまつを掲げた市民らによる「たいまつ行列」が5年ぶりに行われた。
白銀町では昭和初期から火災が相次ぎ、それを鎮めようと1949年に同神社が建立された。火まつりは同神社の春の例大祭の宵宮に位置付けられている。
4年ぶりに開かれた昨年のまつりでは、町民の高齢化などによるみこしの担ぎ手不足から重さ200キロ以上ある鉄釜のみこしは台車に載せる様式に変更。今年も同じ様式としたほか、昨年は新型コロナウイルスの影響で行わなかったたいまつ行列を復活させた。
みこしは午後6時半ごろ同神社を出発した。鉄釜から激しく炎が出る中、男衆や子どもら約40人は拍子木の音に合わせて「わっしょい」「わっしょい」とかけ声を響かせ、市街地を威勢よく巡行。沿道の住民や商店街店主らはみこしが近づくと献木を火にくべ、火災が起きないよう祈った。
たいまつ行列には市民ら200人以上が参加し午後7時半ごろ出発、たいまつを掲げて駅前大通りを練り歩いた。まつり終盤にはみこしの後に行列が続き、大通りに炎の列が浮かび上がった。
行列に参加した園児は「火が消えないように持てた。まわりに小さな火の塊がいっぱいあってきれいだった」とにっこり。区長は「みこしでは子どもたちも最後まで元気に声を出してくれた。今後も火まつりの継続に努めていきたい」と話した。
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