
次々と樽上げされるへしこ=10日、美浜町日向の「日の出屋」
福井県美浜町特産の「へしこ」の樽(たる)上げがシーズンを迎えている。約10カ月間じっくりと漬け込まれ、うまみが凝縮された仕上がりに。同町日向の「日向へしこ酵房 日の出屋」では1月10日、代表の加藤さんとその家族が一本一本樽から取り出し、袋詰めに精を出していた。
へしこは、塩漬けしたサバを酒かすやしょうゆ、みりん、ぬかなどに漬け込み発酵させる伝統の保存食で、美浜町は2005年に「へしこの町」を商標登録した。美浜のへしこについて、発酵食品ソムリエでへしこ料理研究家の伊達さんは「作り手それぞれにこだわりがあり、一軒一軒味が違うのが特徴」と語る。
日の出屋は、海水湖である日向湖沿いのかつて船小屋だった場所を作業場にしている。夏は暑く、冬は冷たい浜風が小屋の中に入り込むことで、ゆっくり熟成発酵し、味がまろやかになるという。この日は、へしこ独特の香りが充満する中、加藤さん家族4人が昨年3月に漬けた1樽分の110本を手際良く取り出し、ぬかをたっぷりと腹に詰めて真空パックにしていった。
今後事業承継する息子は、昨年の大阪・関西万博のおにぎり専門店「ONIGIRI WOW!」で福井県のおにぎりの具材に美浜のへしこが使われ好評だったことを受け、「美浜のへしこを多くの人に知ってもらえる機会になったし、出荷本数も上がってきている」と喜ぶ。現在、事業承継に向けて見習い中といい、「伝統の味をしっかりと受け継ぎ、ずっと守っていきたい」と力を込めた。
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