• おおい町で捕獲したシカを有効活用し商品化したジャーキー
  • 空き家を改修し、昨年7月に完成したシカ肉の加工処理場=8日、おおい町川上
おおい町で捕獲したシカを有効活用し商品化したジャーキー

 おおい町で捕獲されたシカの有効活用を目指して町内の飲食関連業者が加工処理場を同町川上に整備し、シカ肉を使ったぎょうざや、ペットのえさを開発、販売を行っている。見学設備も備えてあり、子どもたちに命の大切さを考える機会にしてもらいたいという。

 加工処理場「Deer Dream」を整備したのは、町内で飲食店を手がけるマルヤ国際商事(同町本郷)。町内にシカ肉の処理施設はなく焼却か埋め立てて処分されてきた。ジビエ肉は、素早い処理でよりおいしく味わえることから町内の空き家を改修。昨年夏、延べ床面積約120平方メートルの処理場を完成させ、商品開発を進めてきた。

 開発した「わかさ食美恵(じびえ)ぎょうざ」は、シカ肉を100%使ってうま味を引き出し、具材には町特産のシイタケも使用した。モモ、ロース肉のジャーキーは七味唐辛子を効かせ、酒のさかなにぴったりという。肝臓などを使った犬用のジャーキーも開発した。

 ぎょうざやジャーキーなどは道の駅「うみんぴあ大飯」(成海)で販売中で、町のふるさと納税の返礼品への登録も目指す。

 施設内に整備した通路から処理の様子が見学できるため、同社は地元の児童らを招いていくほか、学校給食にぎょうざを提供するなど食育にもつなげたいという。

 同町は獣害対策として、捕獲したシカを焼却、埋め立て処分した際、報償金を与えている。本年度からは同加工場への持ち込みによる報償金も新設した。工場長の枡谷さんは「殺処分するだけだったシカの有効活用ができれば、狩猟へのマイナスイメージ払拭にもつながるはず」と話す。精肉販売も行っており、問い合わせは同社=電話0770(77)3166。

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