顔見世で舞踊を披露する赤尾町区の子どもたち=25日、高浜町宮崎の妙長寺

 6月15~21日に福井県高浜町で行われる佐伎治(さきち)神社(宮崎)の式年大祭「高浜七年祭」に向け、奉納芸能の稽古の総仕上げ「顔見世」が氏子地域の各区で行われている。舞踊などを奉納する赤尾町区では5月25日、衣装を身に着けた若連中や子どもたちが大勢の見物客に練習の成果を披露、本番への意気込みを示した。顔見世は6月中旬にかけて順次行われる。

 県指定無形民俗文化財の「高浜七年祭」は6年に1度行われ、450年以上の歴史がある。京都の祇園祭と同様、疫病を鎮める御霊会(ごりょうえ)の性質を持ち、若狭地域最大級の夏祭りとされる。太刀振りや神楽などの芸能を区ごとに分かれて奉納する。

 顔見世は各区が5月上旬から開いている。25日には高浜地区内三つの氏子地域の一つ「東山」の東部若連中による太刀振りなどが行われた。

 赤尾町区の顔見世は、小学1~5年生女児10人による舞踊が妙長寺(宮崎)であった。子どもたちは2月以降週1、2回集まり踊りを磨いてきた。この日、口紅など化粧をした子どもたちは本番と同じ着物に身を包み、傘や扇子、藤の枝などを手に長唄や端唄など11演目を優雅に舞った。詰めかけた観衆からは、おひねりが次々と投げ入れられ、温かい拍手が送られていた。

 高浜小4年の児童は「緊張したけれど上手に踊れて良かった」と話し、同5年の児童は「たくさんの人に見てもらえてうれしい。本番はもっと上手に踊りたい」と意気込んだ。

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