夜に浮かび上がるカッパのイルミネーション=7日、美浜町佐田

 福井県美浜町佐田区に伝わる民話「河童(かっぱ)の詫(わ)び証文」を観光客らにPRしようと、地元住民でつくる佐田伝統文化保存会が、区内の佐田交差点付近にイルミネーションを設置した。夜になると点灯し、好物のきゅうりを持ったかわいらしいカッパが浮かび上がる。

 民話は、地元住民が河口で牛を洗っていたところ、カッパが邪魔をしてきたため縄で縛り、命を助ける代わりに詫びの証文を書かせたという内容で、区内で代々引き継がれている。

 イルミネーションは、昨年初めて集落内の佐田公民館に設置。今年は、より多くの人に見てもらおうと、若狭湾サイクリングルート(愛称・わかさいくる)のコースで、県外客の人気が高い水晶浜にも続く県道脇に場所を変えた。

 大きさは縦147センチ、横190センチ。青や赤、白など色とりどりのLED電球でカッパを表現した。「かっぱ伝説の地」の文字には夜光塗料を使い、車などのライトが当たると浮かび上がる。

 同会の会長は「車や自転車で佐田を通る人の目にとまり、かっぱ伝説を知るきっかけになれば」と期待していた。

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