県産養殖イワガキの新ブランド「ふくい岩がき」のロゴマークを披露する中村副知事(前列左)ら=4日、小浜市食文化館

 福井県と県漁業協同組合連合会は6月4日、生食も可能な県産養殖イワガキの新ブランド「ふくい岩がき」を発表した。ミルキーでさっぱりとした味わいが特長。春から夏にかけ出荷し、夏場の新たな特産品として県内の宿泊施設や飲食店などで提供する。

 県などは2019年度からイワガキの種苗生産や試験養殖などに取り組んできた。種苗生産体制が整い、23年度からはブランド化に向けて試験販売や事業者への説明会などを行ってきた。

 ふくい岩がきの条件は▽種苗の由来が県産▽県の海域で養殖されたもの▽出荷期間が5~8月-の三つ。ホタテの貝殻などに稚貝を付着させロープにつるし育てる「垂下方式」と専用のカゴを使う「シングルシード方式」で育てる。大きさは垂下方式が150グラム以上、シングルシード方式が70グラム以上とし、重さに応じてそれぞれ4段階の規格を設けた。

 種苗は12月に県栽培漁業センター(小浜市堅海)から出荷され、各事業者で2~3年間育てられる。県は年間6万個の稚貝出荷を目指している。

 本年度は敦賀、小浜、若狭、高浜の4市町の約40事業者が養殖。民宿など自分たちで提供する分も含め、約1万個の出荷を見込んでいる。

 小浜市食文化館で開かれたお披露目会には中村保博副知事や松崎晃治小浜市長、生産者や流通業者など約60人が出席し、ロゴマークの発表や試食会が行われた。中村副知事は「北陸新幹線が県内開業してからは『おいしい物を食べる』ことが観光客の一番の目的になっている。積極的にこのブランドを育てていきたい」とあいさつした。試食会では出席者が「厚みがあり、味も濃厚」「生で食べると非常にクリーミー」などと舌鼓を打っていた。

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