ほんのりとした辛みで山内かぶらのうま味が引き立っているつぼ漬け=若狭町山内

 福井県若狭町山内の伝統野菜「山内かぶら」を年間通じて味わってもらおうと、生産者グループがこのほど、干しカブラでつぼ漬けを開発し、販売を始めた。創業者の生家が同町の熊川宿にある京都市の料亭「菊乃井」の3代目主人、村田吉弘さんが監修。ほんのりとした辛みでカブラのうま味が引き立っている。

 山内かぶらは味の濃さが特長の白カブの一種で、国が地域の特産物などをブランドとして保護する「地理的表示保護制度(GI)」に登録されている。つぼ漬けを開発したのは、2011年に有志6人で結成された「山内かぶらちゃんの会」。現在、会員は60~90代の12人。

 同会によると、収穫し出荷するのは11~2月。年中楽しんでもらえるよう、山内かぶらを卸している菊乃井の村田さんに助言を求め、干したカブラを活用しつぼ漬けを完成させた。

 食品添加物不使用で、村田さんが監修したみりん、酒、しょうゆの液で1カ月ほど漬けた商品は、カブラのうま味が凝縮されている。しゃきしゃきした歯ごたえも特徴で、代表は「ご飯にもお酒にもぴったり」と勧める。

 100グラム税込み800円で、同会が運営する「いっぷく処かぶらちゃん」(同町山内)で販売している。ECサイト「豊洲市場ドットコム」でも購入できる。飛永さんは「山内かぶらの新たな味わいを県内外の多くの人に楽しんでほしい」と期待していた。

 問い合わせは同会=電話0770(64)1497。

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