• アンネの父の手紙(複製)などが展示されている「アンネ・フランク展~希望の未来~」=1日、敦賀市資料館「人道の港敦賀ムゼウム」
  • アンネの生涯を紹介するパネル
アンネの父の手紙(複製)などが展示されている「アンネ・フランク展~希望の未来~」=1日、敦賀市資料館「人道の港敦賀ムゼウム」

 ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)の犠牲者で、「アンネの日記」の著者アンネ・フランク(1929―45年)に関する企画展が、福井県敦賀市の資料館「人道の港敦賀ムゼウム」で開かれている。第2次世界大戦中の虐殺を1人の少女の目線で紹介し、平和の尊さを訴えている。10月1日まで。

 ホロコーストは第2次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人600万人の虐殺で、150万人がアンネのような子どもだったとされる。「アンネの日記」は亡命先のオランダ・アムステルダムの隠れ家で暮らした8人がナチス・ドイツに捕まるまでの約2年間を記録したもので、戦時中のユダヤ人の生活を伝えるものとして国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産に登録されている。

 企画展はホロコーストの真実を伝え、差別や偏見を無くしたいと1995年に開設された広島県福山市のホロコースト記念館の協力で開催。アンネの誕生したドイツ時代やオランダでの幼稚園、小学校時代、隠れ家での生活などを22点のパネルで紹介している。

 アウシュビッツ収容所でのアンネを紹介するパネルでは髪の毛をそられ、腕に番号を入れ墨されたこと、「(殺害される)ガス室に向かって歩いている少女たちを見て、アンネは泣いていました」という生還者の証言などをまとめている。ベルゲン・ベルゼンの収容所のパネルでは、姉マルゴーとアンネがやせ衰え、亡くなったことを伝える。

 また、アンネが暮らした隠れ家の模型や、アンネが隠れ家で読んでいた小説、唯一生き残ったアンネの父、オットー・フランクが収容所から解放されたときの手紙(複製)や万年筆など7点も展示している。

 ムゼウムの担当者は「ロシアのウクライナ侵攻もある中、歴史を知り、平和のために何ができるかを考えるきっかけにしてほしい」と話している。水曜休館。大人500円、小学生以下300円。

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