鯖街道を中心とする往来文化遺産群が日本遺産に認定されている福井県小浜市と若狭町の歴史や文化ストーリーを伝える音声ガイドが完成し、本年度から運用されている。スマートフォンから無料で聞くことができ、日本語のほか英語、中国語の3カ国語に対応しており、国内だけでなく外国人観光客にも魅力をアピールしている。
小浜市と若狭町の「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国若狭と鯖街道~」は、日本遺産の中でも他地域のモデルとなる「重点支援地域」に2021年に選ばれている。その事業の一環として22年度、鯖街道起点の「小浜西組」と道中の宿場町「熊川宿」の両エリアの音声ガイドを文化庁と地元自治体が作成した。
ガイドはスマホアプリ「ON THE TRIP」で聞くことができる。同アプリは、全国の観光地や名所それぞれの歴史的、文化的ストーリーを紹介しており、県内のスポットが登場するのは初めて。地図機能が付いており、ガイドを聞きながら散策が楽しめる。
作成には小浜市、若狭町の職員も携わり、各エリアで1~2分程度の解説を10個ずつ用意した。小浜西組のガイドでは、旭座や三丁町といったスポットを取り上げながら、鯖街道の起点が小浜である理由や食文化の変遷について説明。熊川宿では屋根や壁、窓など特徴的な建物の造りに着眼し、町並みの美しさの秘密に迫る内容とした。
小浜市の担当者は「ただ歩くだけで歴史的なストーリーを理解するのは難しいが、分かりやすく魅力を感じてもらえると思う。自分のスマホから聞けるので、国内はもちろんインバウンドの方にも利用してほしい」と話している。
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