• 海が見える離れの客室=12日、小浜市阿納
  • 若狭ぐじの焼き物をメインに、地魚をふんだんに使った夕食のメニュー
海が見える離れの客室=12日、小浜市阿納

 福井県小浜市阿納区で進められている民宿リニューアル事業で、廃業した旅館を改修した新たなホテル「若狭佳日(かじつ)」が、5月13日に一部先行オープンした。小浜湾を眼前に望む客室を備え、県産ブランド魚の若狭ぐじなど地域の海の幸を堪能する食事を提供。運営会社は「地元の魅力を伝える宿にしたい」とアピールしている。

 民宿が軒を連ねる同区では観光活性化を目指し、区を挙げて事業に取り組んでいる。2021年に区民を中心に出資し株式会社「阿納」を設立。廃業した区のシンボル的旅館の建物を買い取り、2年がかりで改修した。

 若狭佳日は本館、離れ、別館、蔵、外湯の5つの建物があり、外湯以外の4棟が完成した。本館は1階がダイニング、2階に5部屋の客室を備え、本館と連結した4階建ての離れは、大きな窓から海が見えるスイートルームが3部屋。3階建ての別館には5部屋あり、蔵は地酒やジュースを無料で提供する宿泊客専用のラウンジとなった。

 先行オープンするのはダイニング、ラウンジのほか、別館と離れのバス付きの客室計7部屋。それ以外の6部屋と外湯は、8月予定のグランドオープンから利用可能となる。

 食事は小浜を中心に県産食材をふんだんに使用。夕食は若狭ぐじの焼き物(2人で1匹)をメインに、阿納沖で養殖しているスズキやタイ、地物のアカイカなどの刺し身、小浜よっぱらいサバの鯖寿司(さばずし)も提供する。冬季は若狭ふぐのコースも用意する。朝食では若狭かれいやへしこが味わえる。

 運営を担う市の第三セクターまちづくり小浜の社長は「おだやかな海と山々に囲まれた美しい景観、若狭の食と文化を発信する拠点とし、特別な時間を過ごしてもらう場所にしたい」と話した。

 料金はオープン記念で通常より2~3割引きされ、2人利用時で1泊2食付き1人2万3700円から。先行オープン期間中は火、水曜のチェックインは受け付けない。予約は公式サイトまたは若狭佳日=電話0770(54)3010で。

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