4年ぶりに披露された雲浜獅子=3日、小浜市城内1丁目の小浜神社

 福井県小浜市城内1丁目の小浜神社の例祭「お城祭り」が3日営まれ、県指定無形民俗文化財の雲浜獅子が4年ぶりに披露された。青空の下、雲浜地区内各地では太鼓やかね、笛の音がにぎやかに響きわたり、熱気に包まれた。

 お城祭りは新型コロナウイルスの影響で、2020年以降神事のみとなっていた。例年なら2、3日の2日間、獅子や棒振り大太鼓が地区内を練り歩くが、今年は2日に神事などを営み、3日に雲浜獅子の奉納と各区内での披露があった。

 一番町区が披露する雲浜獅子は、1634(寛永11)年に小浜藩祖酒井忠勝が川越(埼玉)から小浜へ国替えになった際、演者を連れてきて伝わったとされる。1頭の雌獅子を巡り老若2頭の雄獅子が繰り広げる恋の争いを勇ましく表現している。

 雲浜獅子の一行は一番町会館を出発し、午前11時ごろ小浜神社へ宮入り。演者は3人1組となり、小中学生の2組と大人の1組が順番に奉納した。それぞれ獅子頭をかぶり、笛の音に合わせて体の前に付けた太鼓をたたきながら、足を後ろに蹴り上げて歩く独特な動きで舞った。雄獅子同士がにらみ合うように近づいたり、頭を大きく振ったりする場面もあり、力強い演技に観客はくぎ付けとなった。

 小浜中1年の生徒は「久しぶりで緊張した。踊り切れて良かった」とほっとした様子。3組目で40分ほどの長尺を舞った男性は「足がぷるぷるだけど、こうして披露できるのはやっぱり楽しい」と笑顔で話した。

 棒振り大太鼓の山手、城内、雲浜の3区もこの日順番に同神社に奉納し、各区内を巡行した。

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