福井県のブランド養殖魚「若狭まはた」の稚魚の出荷が5月8日、小浜市の県栽培漁業センターで始まった。県産稚魚の出荷は4年目で、今月末にかけ昨年と同じ3万匹を嶺南の養殖業者に順次出荷する計画。海のいけすで1年半ほど育てられると食べ頃の大きさとなり、県内の旅館や飲食店で提供される。
マハタはハタ科の高級魚。身は淡泊ながらうま味があり、弾力のある食感が楽しめる刺し身のほか、鍋物にも向いているという。
稚魚は昨年6月に同センターでふ化させ、1年ほどかけて体長25センチ、重さ250グラム程度に成長した。餌食いが良くなるよう特に冬場の水温管理を徹底し、今年は例年より2週間ほど早い出荷開始となった。
鋭いひれを持つため、魚同士傷つけないよう出荷時は仕切り付きのケースに入れて運ぶ。この日は同センターの職員が大きさや傷の有無を確認して選別し、ケースごとトラックの水槽に入れられて敦賀市の養殖業者に2千匹が出荷された。いけすで1年半ほど育てると、食べ応えのある1・5キロ程度に成長するという。
同センターの主任研究員は「マハタ自体があまり知られていないが、食べてもらえばうま味がありおいしい魚だと分かってもらえると思う。来春には北陸新幹線が県内で開業するので、多くの人に味わってもらい認知度を上げたい」と話した。
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