産卵し本格的な抱卵に入ったとみられるコウノトリの雄(左)と雌=2日、若狭町鳥羽地区(県・同町提供)

 福井県若狭町と県は4月14日、国の特別天然記念物コウノトリの野外ペアが町鳥羽地区の人工巣塔で産卵し本格的な抱卵に入ったとみられると発表した。町によると、1971年に国内の野生個体が絶滅して以降、町内での野外コウノトリの産卵は初。有精卵であれば、4月中にもふ化する見通しという。地元はひな誕生に期待を寄せている。

 コウノトリのペアは兵庫県豊岡市生まれの雄と京都府京丹後市生まれの雌。2月下旬から巣塔で交尾、巣作りが確認されていた。

 カメラで撮った映像から、3月24日に産卵し、同28日ごろから本格的な抱卵に入ったと推定。くちばしで卵を転がすような行動も確認された。地区内に住む男性は「鳥羽地区に来て産卵してくれてうれしい。ひなが生まれて大きく育つまで優しく見守っていきたい」と話していた。

 町は150メートル以上離れ、餌を与えないなどルールを守って観察・撮影するよう呼びかけている。

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